今回はすごく気にする人は気にする。
気にしない人は全く気にしない
エンジンオイルについてです。
どっちかといえば
全く気にしない人に
読んでもらいたいお話です。
近所をちょいのりしかしない人ほどマメにオイル交換しましょう
車を近所への普段の足にしている人ほど
オイル管理に関してはルーズです。
そんなにエンジン回さないし、
距離も短いからというのが
理由だと思います。
今回、一番伝えたいことは
『近所5km程度を通勤や買い物などで
毎日車を使っているような人』は
オイル交換を
マメにして欲しいということです。
なぜなら、
こうした車の使い方が
一番オイルを劣化させるからです。
では、
なぜそういった車の使用が
エンジンオイルを
劣化させるのかをお教えしましょう。
オイルの劣化は酸化より乳化(白濁化)
エンジンオイルは
多くの人が空気中でも自然に酸化して、
劣化すると考えています。
だから、
「走行距離と関係なく、
半年とか1年で交換しましょう」
と言われればなんとなく
「走っていなくても
空気中の酸素で自然に
酸化するからだろうなぁ」
なんて考えていると思います。
もちろん間違いではありません。
オイルは酸化します。
それは走っていない状態でも
ありえます。
でも1年や2年で
オイルが変質するほど酸化はしません。
皆さんちょっと考えてみてください。
エンジンオイルは
高温状態にあるなかで
性能を発揮させる目的を持って
作られているのです。
なので、常温状態での酸化は
微々たるものです。
ましてや
保管しているオイル缶の中では
ほとんど酸化なんてしません。
そんなことぐらいで
酸化してしまうような
神経質なオイルなら
エンジルームで熱が加わった時、
いっきに変質して性能を
発揮することは不可能でしょう。
カー用品店やホームセンターで
オイルを購入されたことのある方は
フタを開けるときに
気付いたかもしれませんが、
新品のオイル缶は密閉されています。
それは酸化防止の為だから
だろうと思うかもしれません。
同じ油の類である
マヨネーズやマーガリンが
酸化帽子のため
銀色のシールで密閉されているのと
同じだと思うからでしょう。
しかし、実は
空気酸化ということより
水分による乳化(白濁化)
を防ぐ意味が大きいのです。
オイルは
水と混ざり合うことで
乳化してしまい
変質してしまうのです。
ちょいのりしている車ほどオイルが劣化しやすい
エンジンオイルの汚れは
酸化によるものが
中心ではなく、
燃えカスや不純物、
金属の摩耗による粒子です。
そして、
水による乳化は保管時だけではなく、
エンジンの中でも起こりえます。
炭化水素であるガソリンは
燃えると酸素と化合して
二酸化炭素と水が発生するのは
ご存知でしょうか。
(ココではわかりやすいように単純に考えています。本当はもっと汚染物質が発生してます。)
アイドリングで放っておくと
マフラーから
水滴が落ちるのはそれです。
そして、
エンジンが低温な状態で動いていると
ブローバイガスという
燃え残りが発生します。
これはマフラーから排出されず、
もう一度燃焼させるために
吸気口に戻しますが、
微量はエンジン内
(クランクケース)
やオイルパンに流れ込みます。
エンジンが高温になってくると、
発生した水分は蒸発しますし、
ブローバイガスも
発生しにくい状況になってきますが、
ごく短い距離を
ちょっと乗るだけでは
そこまでエンジンが
高温になりきりません。
そうするとエンジン内や
オイルパンに
ブローバイガスに混じって、
微量ではありますが
水が混じって流れ込み、
エンジンオイルと混ざってしまう
ことになります。
それとてエンジンが
高温になれば問題ないのですが
低温状態で毎日動かしていると
徐々に水分や
ブローバイガスが
増えていってしまいます。
これがエンジンオイルを
早く劣化させてしまう
原因となるのです。
オイルの交換時期って本当はどれ?
車の取扱説明書を
しっかり読む人は少ないですが、
取扱説明書には
どんなオイルを使って
いつ交換すればよいかが
書いてあります。
例えば
「0W-20もしくは5W-30のオイルを交換時は、3.1L、フィルター同時交換時は3.3L、15,000kmごと、または12ヶ月ごとのどちらか早い方で交換してください。」
といった具合です。
ここで
「あれっ?交換までの時期がながすぎないか?」
と思った人もいるでしょう。
あなたは説明書を読まずに
自動車販売店やカー用品店で
「5,000kmごとまたは6ヶ月ごとの交換が目安です。」
と勧められたから、
そうしている人だと思います。
中には3,000kmごとに
交換するという人もいるでしょう。
そういう人も
説明書を一度開いて見てください、
ほとんどの国産車は
10,000km~15,000kmか
12ヶ月ごとの交換に
なっているはずです。
でも、
「チクショー!だまされてた!!」
と怒るのは
ちょっと待って下さい。
じつはどちらも間違いではないです。
説明書に書かれているのは
あくまでメーカーが
オイル交換整備不足が
原因で車が壊れないことを
想定した標準の交換時期です。
使用される状況が
変われば
交換時期だって変わってきます。
例えば前述したように
近所のちょいのりだけで
エンジンが高温にならない状態で
距離が伸びていった状態などです。
こうした使い方だと、
5000kmぐらいでの交換でも
走り過ぎという場合があります。
また、市街地などで渋滞が多いと
アイドリングの時間が増えます。
アイドリング中は
エンジンが動いていますが、
メーターの距離は伸びません。
なので、
毎朝通勤渋滞にハマるような
乗り方をしている人は
走行距離以上にオイルを
稼働させていることになります。
こうした使い方をする人が
日本では多いので、
15,000km交換でも
故障に結びつくようなことはないけど、
ベストコンディションを保つには
5000kmとか3000kmもしくは
6ヶ月での交換が推奨
されているということです。
- 説明書通りオイル交換をしていれば車は故障しません。仮に故障したらメーカーにクレームです。但し、証拠が必要なので整備ノートはしっかりとっておきましょう。
- 5,000km、3,000kmで交換していればエンジン性能低下を出来るだけ抑えることが出来ます。また、半年ぐらいで交換することによってエンジンやオイルに不具合があった場合、早期発見できます。
どんなオイルを選べばよいか?
オイルの種類を説明していると
それだけでスゴイ量になるので
ガソリン車向けのオイルを
簡単に説明します。
オイルは大きく分けて
鉱物油、部分化学合成油、
100%化学合成油がありますが
レースに出たりしないかぎり
特にこだわらなくても大丈夫です。
選ぶ基準で見て欲しいのは
API規格という
『SM』とか『SN』と
書かれたアルファベットの部分と
5W-30とか0W-20とか
書かれている部分です。
API規格
アルファベットは
『S』で始まるのがガソリン用
『C』で始まるのがディーゼル用。
2文字目は実はAからあって
B・C・D・・・と続きます。
アルファベット順が
進むにつれて耐堆積物性能、
耐酸化性能、
耐摩耗性能、
耐さび性能、
防食性能などが向上します。
例えば2001年以降製造の車の
エンジンにはSL以上のオイルを
使用してくださいといったように
年々規格の内容が
厳しくなっていってますが
オイルメーカーも
それに追従します。
現在市場に多く出回っているのは
『SL』『SM』『SN』規格のものです。
『SL』は2001年以降の
ガソリン車に適用する規格。
1996年以降のガソリン車に
適用されていたSJの最低性能基準を
上回る性能をもち、
高温時における
オイルの耐久性能・清浄性能・酸化安定性を
向上すると共に、
オイル揮発試験にも
合格した環境対策された規格です。
『SM』は『SL』規格よりも、
さらに省燃費性能の向上、
有害な排気ガスの低減、
エンジンオイルの耐久性を
向上させた環境対応オイル。
これまでに無かった
劣化した油の低温粘度を計る
試験が追加され、
低温流動性、
酸化劣化に優れたオイルを
使用する必要があります。
『SN』は『SM』に比べて、
省燃費性能は0.5%以上、
オイル耐久性は堆積物の発生を
14%以上の改善、
そして触媒システム保護性能は
触媒に悪影響を与える
リンの蒸発を20%までに
抑制させなければならず、
燃費や環境保護性能が
高いといえます。
SN規格のほうが
条件が厳しいので
当然高性能でその分高価です。
でも、
それは上記に上げた
燃費や環境に関わる部分です。
SLやSM規格でも
全く問題はありません。
粘度
5W-30とか0W-20といった
表記がオイルの粘度です。
Wの前にある数字が
低温時粘度です、
エンジンが冷えている時の
始動性に関わります。
後ろの数字が高温時の粘度で
この数字が高いほど
高温時でも
しっかりとした油膜を保ちます。
数年前までは高温時の数値が
高いオイル=高性能オイル
と考えられていましたが、
基本的にオイル粘度が高くなると
エンジン内の抵抗が
増えて燃費が悪くなります。
しかし、
オイルの最低基準が年々は
向上して低粘度ながらも
高温時の油膜性能が
高いものが出てきています。
なんとなくで
高粘度オイルを選んでいた人も
今市場に出回っている
オイルであれば
説明書のオイル粘度で
問題なく使用できるので、
わざわざ高いお金をだして
オーバークオリティに
する必要はないと思います。